第9章 出会い

新米営業マン奮闘記高尾地区を後に、西比田へ矛先をかえた。
今になって思うと、とにかく新規開拓に全力を注いでいたんだなーと我ながら感心する。
ただお客様が何を求めているかと言う事に対してのニーズキャッチ(要望)などは考えてはいなかったと思う。訪問スタイルは自己流100%で出来ていたから、どこの地域に入っても戸惑う事はなかった。

まず初めは大工さんのお宅を聞く。
これは新規の地域に入った時の恒例行事みたいなものだ(^^)
いつもの様に名刺と会社の案内を持って歩き廻る。留守宅には必ず置いて帰る。実際この積み重ねで、問い合わせ頂いたお客様もいらっしゃるので、情報等は必ず置いて帰る様にしていた。

西比田に入って数件目。
いきなり屋根修理の依頼をうけた。
新規のお宅に入ってこれだけ早く仕事が取れたのは初めてだ(^^)

それから、このお宅には仕事以外でもよく訪問して色々なお話しをさせて頂いた。戦時中を生きてこられた方で、自分の知らない戦争時の苦労話を淡々と話して頂いた。縁側でお茶をご馳走になりながら気がつくと蜩が鳴く夕暮れになっていた事もあった。

こんな時は営業マンではなく、人生の先輩の話しを興味深く聞いている男であっただろう。考えてみると人間の一生なんて今までの歴史に比べれば本の一瞬で、その時代、時代を生きてきた人の話しを聞くのはある意味自分の知らない世界なので本当に興味深いものだ。

これも営業マンの特権?かな。
これだけ様々な人と知り合えるのは他にはないから。
もちろん知り合う前に玄関を後にする方が大半なのだが (^^;)

今はこのお宅のご主人は都合で米子におられる。
夏がくるたびに思い出す素敵な想いでになった。


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