シックハウスについて

日本人の家に対する考え方は、この数十年で大きく変化していきました。
昔ながらの伝統工法で建てられた住宅は畳、漆喰(しっくい)の壁や土壁で造られ建具には襖や障子といった可動式の間仕切りが使われていました。
これらの資材は、木材や土、紙などの天然素材で、空気を汚染する化学物質を放散しにくいものでした。また、床下や天井も通気のよい造りで、柱の木や土壁などには調湿作用もあり室内の湿度を適度に整えていました。

しかし1973年頃のオイルショックを契機に、省エネ対策の必要性が叫ばれる様になり、住宅の高気密・高断熱が推進されました。それまでの伝統工法で建てられた家や、そこで使用される建築材料は、経済性・生産性・施工性・気密性・断熱性に劣る事から、鉄筋コンクリート住宅や2×4(ツーバイフォー)工法などの新しい工法が登場し、アルミサッシやビニールクロスの導入など様々な新建材が開発されました。

こうして新しい工法や建材が取り入れられて住宅の様式が多様化していくなかで、施工方法は迅速・簡便になり経済効率がよく、断熱性・気密性に優れた住宅が普及しました。(職人の技術の差にあまり関係ない仕上がりが可能となった)

しかし家造りが変わっていくなかで、新建材の普及によるVOC(揮発性有機化合物)の問題や、湿気対策・換気対策を怠ってしまったための結露の問題など、新たな室内環境の悪化が引き起こされてしまうようになりました。

もともと湿度の高い気候風土を持つ日本では、湿気対策は欠かせないものですが、木材への防蟻剤・防腐剤、畳への農薬などの様々な薬剤を使用するようになり、さらには高気密・高断熱化をしていく上では欠かせない必要換気が適切に行われなかったために、室内空気汚染が問題となるようになりました。

シックハウス症候群と呼ばれる原因は多種多様で医師でも診断が難しいのが現状です。
アレルギーの一種とも考えられますが、環境の変化、電磁波、空気汚染と数限りない要因があげられます。家造りにおいては近年建築基準法の改正や国の法律により、24時間換気、内装に使われる建材の使用制限等が義務付けられています。

その一つとして空気汚染の要因のホルムアルデヒドという化学物質を含む建材等内装仕上げの面積制限です。家具、化粧品、カーテンなど幅広く使用されています。

第一種ホルムアルデヒド発散建築材料       使用禁止
第二種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆   使用面積制限
第三種ホルムアルデヒド発散建築材料 F☆☆☆  使用面積制限
規制対象外             F☆☆☆☆ 使用面積制限なし

最近家具等を買われた方や家を新築、リフォームされた方など現場に搬送された建材に、F☆☆☆☆の表示を見られた事あると思います。

Fはホルムアルデヒド、☆はホルムアルデヒドの発散量を表しています。フォースター(F☆☆☆☆)が最高等級ですが全くホルムアルデヒドを含まないわけではありません。

近年住宅も木の家、自然素材の本物という傾向になってはきていますが建材等を一切排除してしまうと、住宅自体のコスト上昇やデザイン多様のお客様のニーズに合わなくなったりという問題も出てきてしまいます。上手く利用していき安心して暮らせる健康な家をご提案していかなければいけません。住宅は今後日々進化していきます。私達、建築家も日々勉強しています。


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